海が見える道を走る時は、すごくうれしい。
その日は曇り空だったのだけど、海と空と雲が視界いちめんに広がれば、もうそれだけで、あとは何もいらないと思う。
カーステレオからは、Pet Shop Boysの “It’s alright”
そう頻繁に聴く曲ではないのだけど、そういえば令和になって初めて聴いた曲もこの曲だった。
I hope it’s gonna be alright
Cause the music plays forever…
この曲は、祈りそのもの。
ひとは傷つけあういきものだ。
それはかなしいことだけど、そうなのだ。
時に私たちは、自分を、そして愛するものを守るために争う。
相手も同じように自分が大切で、守りたいものがある、ということを(ほとんどの場合)考えもせずに。
でも、そんな弱さを抱えた同じひとたちが、平和を願い、祈る。
そこに、人間の尊さがあると思う。
こんなに不完全な私たちなのに。
それを知ってなお、焦がれる。
完全なもの、完膚なきまでに正しく、美しいものに。
私はあなたで、あなたは私。
肌の色や、信仰や信条がいかに違おうと。
肯定することは、時にひどく難しい。
でも、それでも。
たとえ賛同できない意見でも、
あなたはそうなんだ
と、理解しようとする
そういう姿勢は忘れずにいたい。
どんなに主観に翻弄されようと、ひとり静かに、俯瞰する時間を忘れずに持っていたい。